一年を24に分けたものを二十四節気と呼び、
それをさらに3等分ずつにしたものを七十二候と呼びます。
ひとつの節気で大体15日間、ひとつの候で約5日間です。
5月31日~6月4日頃は、二十四節気で言うと「小満」、
七十二候は「麦秋至」と名付けられています。
* * *
七十二候の「麦秋至」は、
「むぎのときいたる」と読みます。
今は5月末なのに、
なぜ「秋」という漢字が使われているのでしょう?
実は、ここでの「秋」は、
【収穫期】という意味で使われています。
一般的に、秋=収穫期というイメージがありますね。
そのイメージを利用して、
「麦の収穫期」のことを「麦の秋」と呼んでいるんです。
麦は今が収穫期なので、
麦と米の二毛作が可能なのですね。
(※二毛作…同じ農地で、1年間に2種の作物を育てること)
ところで、
近頃はだいぶ暑くなってきましたので、
麦というと、つい黄金色に輝くビールが浮かびます。
ビールを漢字表記すると麦酒ですね。
ビールが日本に入ってきたのは幕末。
本格的な醸造は、明治になってから。
横浜で居留外国人向けに製造したのが始まりのようです。
キリンビール
ヱビスビール
アサヒビール
どれも明治時代に販売を開始していますが、
このネーミング、何か共通点を感じませんか?
お分かりですね?
そう、縁起の良い語を使っているんです。
キリン → 麒麟(中国思想における伝説上の霊獣)
ヱビス → 恵比寿(七福神の一人)
アサヒ → 朝日(太陽が昇る)
この時代には、
他にも、「千歳ビール」「日の出ビール」などもあったようです。
すべての商品でこのようなネーミングがされている
わけではありませんが、
古来からの縁起の良い語を使うのが、
この時代に好まれた名付け方だったことが分かります。
昨今、クラフトビール人気が高まっていますが、
皆さんだったら、どんな商品名にしたいですか?