一年を24に分けたものを二十四節気と呼び、
それをさらに3等分ずつにしたものを七十二候と呼びます。
ひとつの節気で大体15日間、ひとつの候で約5日間です。
8月12日~8月16日頃は、二十四節気で言うと「立秋」、
七十二候は「寒蟬鳴(ひぐらしなく)」と名付けられています。
* * *
今回の七十二候は蝉の一種であるヒグラシ。
早朝や夕方に「カナカナ」と金属的な高い音で鳴くのが特徴です。
ヒグラシは古くから日本人に親しまれ、
奈良時代の『万葉集』にも登場します。
ヒグラシの「カナカナ」
ミンミン蝉の「ミーンミーン」
などの虫の鳴き声や、
犬の「ワンワン」、猫の「ニャンニャン」
といった動物の鳴き声は、擬音語と呼ばれますね。
最近では、擬音語や擬態語をひとまとめにして、
オノマトペと呼んだりします。
実は、日本語はこのオノマトペがとても豊富にある言語。
日本はオノマトペ大国なのです。
その数は、5千とも1万とも言われますが、
市販のオノマトペ辞典に、4500ワード収録されているものがあるので、
少なくとも5千はありそうです。
世界的に見ると、
オノマトペは子供の使う言葉のように見なされることもありますが、
日本では大人も日常的に様々なオノマトペを用います。
商品名の「もっちり」や「ふわふわ」もオノマトペですし、
(これは擬態語のオノマトペです)
漫画のコマにもたくさん描かれていますね。
なお、虫や動物の鳴き声は、
オノマトペとして表現されるだけでなく、
意味のある日本語に置き換えた「聞きなし」という表現で
表されることもあります。
聞きなしとは、例えば、
カラスの鳴き声を「阿呆」と聞いたり、
ウグイスの鳴き声を「法華経」と聞いたりすることです。
この聞きなしは鳥の鳴き声に多いようです。
蝉の聞きなしでは、
ツクツクボウシの「つくつく法師」という鳴き声が有名ですね。
蝉の声や動物の声を耳にした際、
どんな聞きなしができるか、
自分なりの表現を考えてみたら面白いと思います。
皆さんも聞きなしにチャレンジしてみてはいかがでしょう?