一年を24に分けたものを二十四節気と呼び、
それをさらに3等分ずつにしたものを七十二候と呼びます。
ひとつの節気で大体15日間、ひとつの候で約5日間です。
8月23日~8月27日頃は、二十四節気で言うと「処暑」、
七十二候は「綿柎開(わたのはなしべひらく)」と名付けられています。
* * *
二十四節気が「処暑」になりました。
「処」は止まるという意味合いなので、
「処暑」は暑さが収まる時期です。
現実はまだまだ暑いですが、
それでも、朝夕の空気が、少しずつ秋に向かっているように思います。
さて、今回の七十二候は「綿柎開」
「柎」は七十二候では「はなしべ」と読んでいますが、
辞典で調べると、「うてな」という読みが出てきます。
「柎」は花のがくのこと。
柎が開くと、中から白い綿毛が現れるのだそう。
私達が綿(わた)と呼んでいるものは、
大きく分けて、
蚕の繭から取れる真綿(絹綿)と綿花から取れる木綿の
2つに分かれます。
「あなたって綿のような人ね」
こんな言葉を聞いたら、どんな人物を想像しますか?
恐らく、
綿のふわふわとした柔らかい様子を元に、人物像をイメージされたことと思います。
その通り。
綿は「柔和なさま(人)」という意味で使われることがあったそう。
(辞典にも載っています)
ですが、見かけが綿のような人だからと言って、
油断できないかも…?
「綿に針を包む」
ということわざは、
表面上は穏やかだけれど、心の内には恐ろしいものを
持っていることを言います。
うっかり、そういう人に近づいて、
「真綿で首を締められる」
なんてことにならないよう、気を付けないといけませんね。
「真綿で首を締める」は、
切れにくく柔らかい真綿で首を締める=遠回しにじわじわ痛めつける
私がお勧めしたいことわざは、
「綿に茶碗」
これは、相手が投げた茶碗を綿で受け止めるということ。
つまり、
相手からの辛辣な言葉をやんわり受け止めて荒立てないという意味になります。
誰かから嫌なことを言われたら、
頭の中を綿でふかふかにして、さっと茶碗を受け止める。
こんな想像をしてやり過ごすと、自分の心が軽くなるかもしれませんね。
ぜひ皆さんも、嫌なことを真っ向から受けずに、
「綿に茶碗」の気持ちで過ごしてみてください。