一年を24に分けたものを二十四節気と呼び、
それをさらに3等分ずつにしたものを七十二候と呼びます。
ひとつの節気で大体15日間、ひとつの候で約5日間です。
10月3日~10月7日頃は、二十四節気で言うと「秋分」、
七十二候は「水始涸(みずはじめてかるる)」と名付けられています。
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今回の七十二候は、収穫に備えて、田んぼの水を抜く時期という意味です。
稲作と共に生きてきた日本人。
我々にとって、その年の実りが豊作か不作かということは、生活や生命に直結します。
そこで昔の人たちは、
春になると山に行って花見をしながら、田の神様に豊作祈願をし、
収穫が終わると、田の神様にお供えをして感謝を示したのです。
田の神様への祈願やお供えの儀式が残っている地域も多くあることと思います。
さて、収穫が終わると、大量の稲わらが出ます。
そのわらは一体どうなるのでしょう?
江戸時代の人たちは、このわらを有効利用していました。
肥料や燃料、家畜のえさにすることはもちろん、
日用品としても多様な使い方をしていました。
例えば、
米俵に使ったり、鍋敷きにしたり。
納豆の製造にもわらは欠かせませんね。
草履にもなりますし、
防雨、防寒のための笠や蓑(みの)にもなりました。
(笠は、昔話の「笠じぞう」でお馴染みですね)
他にも、畳の内部に使ったり、
土壁を作る際にも土にわらを混ぜ込んでいました。
衣食住、様々に変身するのです。
大変便利な素材ですね。
現代では稲わらはどうなっているのだろうと思い、ネットで調べてみましたら、
農林水産省のHPに「稲わらについて」という記載がありました。
https://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/lin/l_siryo/inawara.html
現在、稲わらは家畜のえさとして活用されつつも、
焼却される等、活用されないわらも多くあるようです。
一方、農家からは、えさのために国産の稲わらを求める声があるようですので、
需要と供給がうまくマッチしてくれたらいいなと思います。
もしかしたら、
今後また、稲わらを日用品として活用する時代が来るかもしれませんね。
皆さまだったら、どんな活用ができると思われますか?